6/1に開催された「Autodesk Design Innovation Forum 2010」のM&Eセッションのおさらい的なまとめとして記録しておきます。
かなり手抜きのため、参加した人にしかわからないかもしれませんが、ご容赦ください。
A-1メイキング・オブ・ハリウッドPrime Focus Film VFX / President and Sr. Supervisor
Chris Bond氏
Prime Focusのメインソフトは、3ds Max。
【良いパイプラインがある場合とない場合について】
Facilities with good Pipeline
1. Clear Communication and reporting structure
2. Ability to handle a variety of project assets
3. Planning of unexpected changes or additions
4. A Design for multiple iteration
5. メモできず(※どなたかご存知の方は教えてください)
Facilities without good Pipeline
1. Missed deadline, Nervous clients
2. Creative requests take too long
3. Inability to make key changes without huge costs
4. Disorganization
5. Tasks take longer than anticipated
6. Generally a lot of unplanned overtime
パイプラインって、目に見えない地味なところなのですが、
とっても大事なもので、プロジェクトの脊椎のようなものだと改めて痛感しました。
【Red Cliff】
艦隊のシーンのメイキング
スタントの人が火傷して撮影できないショットを短期間でかつCGで制作しなければならなかった緊急プロジェクト。
約20ショットを15人という小チームで8週間という期間で仕上げた。
最初に、すべての船を管理できるようなパイプラインを設計した。
2,500隻の船のバリエーション作成、配置には
ThinkingParticleを使用。
70,000人の兵士は、
MassiveをMaxのプラグイン的に使用して制御。
CGの炎、煙などは
Fume FX。CGの水(海)はインハウスのウォーターツールを使用。
船の破壊にはThinkingParticle。
船の実写エレメントを基に炎上させたりした。
参考記事
Red Cliff | Prime FocusThe Battle of Red Cliff -- John Woo Style! (AWN)【G.I. Joe: The Rise of Cobra】
Krakatoaを使ったナノマイトの表現について
ナノマイトによって、金属が食い尽くされるテスト映像の紹介
LAとバンクーバーとの離れた場所で共同作業ができるようにアセットマネジメントツールを作り
ノンリニアなワークフローを実現した。
以前、fxguide tvで紹介されていたビデオがよくまとまっているのでこちらをご覧いただくとわかりやすいと思います。
参考記事
G.I. Joe: The Rise of Cobra. | Prime FocusPrime Focus VFX talks Digital Matte Painting for GI JOE: The Rise of Cobra.(CGSociety)
ちなみに、『G.I. Joe: The Rise of Cobra』のメイキング記事は「Cinefex 日本版 15号」に掲載されています。
【Avatar】
作戦本部内の立体グラフィックのメイキング
このプロデュースのためにパイプラインチームと一緒にSAGI(Screen Art Graphic Interface)というカスタム・グラフィック・スクリプトを開発した。
最初に依頼されたショットが順調に終わったので、追加のショットが来て、担当するショット数は2倍になった。
増えたショットに使うCGアセットをILMやFramestoreから受け取り、MayaデータからMaxデータに変換して
自分たちのパイプラインに取り込んで作業した。
参考記事
Avatar | Prime FocusPrime Focus Adds Graphic Dimension to ‘Avatar’A-2ロストプラネット 2における新しい映像表現株式会社カプコン
CS 第一制作室
加治 勇人 氏
カプコンのメインソフトは、Softimage(XSI)。
【LP2の制作工程について】
XSI → MTFramework 2.0 → PS3/Xbox360
MTフレームワーク 2.0関連については、西川善司さんの記事に詳しく書かれているので
そちらを参照してください。
西川善司の3Dゲームファンのための「MTフレームワーク2.0」講座
カプコン次世代ゲームエンジンの真実! 早くも「ロストプラネット2」のハイテクビジュアルの秘密を公開!!【クリーチャーのデザイン、アニメーション】
アニメーションには、モーションキャプチャーを活用した。
クリーチャーの当たり判定モデルの話しなど。
【環境とのインタラクション】
木々、草、水面などへの影響がリアルタイムに反映される。
【水中の表現】
CGでいうところのデプスマップを使い、水深に応じて不透明度を制御。
追記「ロスト プラネット 2」で行われたさまざまな技術的試みを紹介「Autodesk Design Innovation Forum 2010」レポート(4Gamer)
オートデスク主催のセミナーで『ロスプラ2』、『アンチャーテッド』の開発手法が明らかに(ファミ通.com)
「技術に振り回されずトンチの効いたゲーム制作を」−明かされる『ロスト プラネット 2』の内幕(GameBusiness.jp)
A-3フルCGリミテッドアニメーションへの挑戦株式会社サンジゲン
代表取締役
松浦 裕暁 氏
サンジゲンのメインソフトは3ds Max。
【TVアニメーション内のメインキャラクターを3DCGで制作している事例】
『kiss x sis』『迷い猫オーバーラン』『HEROMAN』
以前はロボットアニメが多かったが、最近は人物系が多くなっている。
【深夜枠のTVアニメの制作体制、制作コストの分析など】
1話あたり平均すると約300カット。これを7〜8人のチーム(班)で1.5〜2ヵ月掛けて制作している。
26話(2クール)だと、4班体制で制作している。
個人的には、過去に制作したものの分析シートが非常に興味深かったです。
各カットを難易度に応じて、T/TA/A1〜A3/BG/Bankに分類。
300カットをそれぞれの分類項目に仕分けて、工数を分析した結果の説明。
現在、『
劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』を制作中とのこと。
A-4Uncharted 2:Among Thieves(アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団)におけるキャラクター&アニメーション パイプラインNaughty Dog
Lead Character Technical Director
Judd Simantov氏
Naughty Dogのメインツールは、Maya。
GDC 2010で講演した内容をコンパクトにまとめたものでした。
Game Watchの記事が参考になると思います。
技術の蓄積により、こだわりと効率化を両立する「Uncharted 2」 Part2/キャラクターアニメーションとモデリングでの進化と挑戦 ・
Rich Diamant氏が作ったUVツール
Diamant UVのダウンロードはこちら http://tools3d.com/request.php?5min_uv_Diamant_UV.mov その他の解説ビデオは以下のページで見ることができます。
http://www.3dm3.com/forum/f50/diamant-uv-1-0-beta-first-fully-integrated-automatic-uv-solution-maya-15096/参考資料
Uncharted 2 Character Pipeline:An in-depth look at the creation of U2's characters.(GDCで使われたPDF)
追記膨大なデータの管理はオリジナルツールで−『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』の制作者が講演(GameBusiness.jp)
「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」のリアリティはこだわりと効率化から生まれた。「Autodesk Design Innovation
Forum 2010」モデリングセッションレポート(4Gamers)
オートデスク、「Autodesk Design Innovation Forum 2010」を開催
「ロストプラネット2」、「アンチャーテッド黄金刀と消えた船団」の技術的アプローチ(GameWatch)
※トラックバック記事Aquさんの記事がとってもわかりやすかったのでトラックバックさせていただきました。
アンチャーテッド2 「キャラクターアニメーションパイプライン」 - ゲームの花園サンジゲン 「フルCGリミテッドアニメーションへの挑戦」 - ゲームの花園
posted by akiras at 09:40| 東京 ☀|
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